
法隆寺(ほうりゅうじ)

法隆寺は、生駒郡斑鳩町法隆寺山内にある聖徳宗の総本山の寺院。本尊は釈迦如来。創建当時は斑鳩寺(いかるがでら)と称し、後に法隆寺となった。聖徳太子ゆかりの寺院とされる。金堂、五重塔を中心とする西院伽藍と、夢殿を中心とした東院伽藍に分けられる。西院伽藍は、現存する世界最古の木造建築物群である。
法隆寺の建築物群は法起寺と共に、1993年(平成5年)に「法隆寺地域の仏教建造物」としてユネスコの世界遺産に登録された。建造物以外にも、飛鳥・奈良時代の仏像、仏教工芸品など多数の文化財を有する。
法隆寺がある斑鳩は、生駒山地の南端近くに位置し、大和川を通じて大和国(奈良県)と河内国(大阪府南部)とを結ぶ交通の要衝であった。『日本書紀』によれば、聖徳太子こと厩戸皇子は推古9年(601年)、飛鳥からこの地に移ることを決意し、斑鳩宮の建造に着手、推古天皇13年(605年)に斑鳩宮に移り住んだという。法隆寺の東院の所在地が斑鳩宮の故地である。この斑鳩宮に接して建立されたのが斑鳩寺であった。
東大寺

東大寺は、奈良市雑司町にある、華厳宗大本山の寺院。本尊は奈良大仏として知られる盧舎那仏(るしゃなぶつ)。正式には金光明四天王護国之寺(こんこうみょうしてんのうごこくのてら)ともいい、奈良時代に聖武天皇が建立した寺である。
奈良時代には大仏殿のほか、東西2つの七重塔を含む大伽藍が整備されたが、855年(斉衝2年)の大地震で、頭部が落ちてしまった。中世以降には、2度の兵火で多くの建物を焼失しており、現存する大仏は台座などの一部に当初の部分を残すのみである。また現存する大仏殿は宝永6年(1709年)に規模を縮小して再建されたものである。

正倉院(しょうそういん)

正倉院は、奈良市の東大寺大仏殿の北北西に位置する、校倉造(あぜくらづくり)の高床倉庫。聖武天皇・光明皇后ゆかりの品をはじめとする、天平文化を中心とした美術工芸品を収蔵していた建物で、1997年(平成9年)に国宝に指定され、翌1998年(平成10年)に「古都奈良の文化財」の一部としてユネスコの世界遺産に登録された。
「正倉」とは、「正税を収める倉」の意味で、律令時代に各地から上納された米穀や調布などを保管するため、各役所に設けられたものだった。また、大寺にはそれぞれの寺領から納められた品や、寺の什器宝物などを収蔵する正倉があり、正倉のある一画を塀で囲ったものを「正倉院」と称していた。
正倉院が所蔵する宝物の9割以上は異国風のデザインを取り入れた日本産であるが、唐や西域、ペルシャなどからの輸入品もあることから、「正倉院がシルクロードの東の終着点」と言われる所以となっている。
